製本事例

カラー天糊製本 『五十嵐太郎研究室アーカイブ2013-2014』

 

東北大学 五十嵐太郎研究室編集による、

『あいちトリエンナーレ2013ドキュメント+五十嵐太郎研究室アーカイブ2013-2014』本のご紹介です。

 

 

カラー天糊

カラー天糊

 

 

 

特徴としては、まず何と言ってもこのカラーを施された背の部分でしょう。

 

 

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通常であればここは表紙との接着面になるため、表に出ることはないのですが、

今回はデザイナーの強い希望のもと、本の柱となる背を見せる事にこだわり

加工においても工夫を凝らしました。

 

 

このような綴じの代表的な物としては『天糊製本』といわれる主に伝票などに用いられるペラ(1枚もの)を複数枚、断面で接着する製本が当てはまります。

 

天糊製本の特徴としては開きが良いこと・剥離性に優れていることが挙げられますが、

逆にいってしまえば本として捉えた場合、耐久性に不安が残るということにもなります。

加えてページ物の用途としては不向きであるということも挙げられます。

 

そこで、外観&特徴としては天糊製本の仕様でありながら、書物としての耐久性に優れたものを作る試みのもと製本を行いました。

 

まずはページ部分ですが、

ペラの場合抜けが起こる事が考えられるためアジロ綴じのような折り丁にて紙の繋ぎを残しています。

紙同士の繋ぎ面とミシン刃による破面から浸透する糊とで、折丁同士の繋ぎとしては従来の天糊製本より強固なものになりました。

 

糊に関しても下地仕上げには一般的な雑誌製本に用いられるホットメルトを使用しています。

 

さらにその上から寒冷紗&柔軟性のある糊にて補強成型を加えてあります。

そのため本の繋ぎとしての強度は天糊製本を上回ったと云えるでしょう。

 

仕上がったものがこちら。

 

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天糊製本の特徴である外観&開きの良さを確保しつつ、

書物としての用途にも耐えれる本が出来上がりました。

 

 

 

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ご覧いただけます通り、ページの繋ぎではミシン目が光を透過し発光して見えます。

 

半透明のトレーシングペーパーが巻き表紙となり付属しますが、さながら本の構造そのものをトレースしているかのような美しいデザインになっています。

 

 

 

 

 

 

【この製本の特徴】

 

・開きが良い

・背中へカラーリングが可能(カラーパターンは数種類あり)

・小ロット向け

 

 

 

【五十嵐太郎研究室アーカイブ2013-2014】

 

 

デザイン:楠田博子

 

印刷:今野印刷株式会社